たまたまご縁がありまして、川越のうつわノートさんで展示販売をする機会を頂きました。
うつわノートさんといえば、現代のトップギャラリーであるととも作家さんたちにとっても憧れのギャラリー。
今回このような機会を頂き大変光栄です。
常滑 磯部商店 急須問屋の仕事
2023年9月23日(土)~30日(土)
営業時間 11時~18時 最終日は17時迄
磯部商店 在廊日 9月23日
ギャラリーうつわノート
埼玉県川越市小仙波町1-7-6
049-298-8715 utsuwanote@gmail.com
以下、うつわノート店主 松本氏が書き下ろして下さった説明文を引用させて頂きます。
日本最大の急須産地である愛知県常滑市で創業60年の歴史をもつ急須専門問屋「磯部商店」による展示販売会を行います。常滑の焼き物店が集まるセラモールを二年前に訪れた際に、「磯部商店」の社長・磯部宏行さんに1階の販売スペースのみならず、2階の急須を保管する倉庫を見せて頂いたことがあります。そこには急須の入った青いプラケースがうず高く積まれ、ざっと2万点を超える在庫品があるとお聞きし、その物量の多さに圧倒されました。それらは全て買取った急須であり、常滑の現代作家のもの、物故作家や引退した作家のヴィンテージもの、窯元による数ものなど常滑急須を網羅する産地問屋の奥深さを目の当たりにしたことをきっかけに、陶芸産地を支えている流通側の立場からその役割の重要性を考えてみたいと思い、この企画展を開催することにしました。
磯部商店は1964年に常滑の急須を専門に扱う卸業者として始まり、鋳込みや型による量産の急須や轆轤による作家の急須を取り扱う卸業を主にしながら、オリジナルデザインの急須の開発や金網式の茶漉しの開発を早くから取り組みメーカーとしての側面も持っています。またセラモールに構える小売り店舗「急須と器 いそべ」では地元の陶芸家の食器やアクセサリーも取り揃え、現在の常滑焼作家の縮図を見ることが出来ます。磯部商店の社長とお話していると、単なる物を取り次ぐ仕事だけでなく、常滑焼の歴史、急須の技術、お茶の知識、常滑焼作家の人脈など広い見識があり、常滑急須を支える卸業者としての矜持が伝わってきます。国内外の取引先からのオーダーに対して「磯部ならどんな急須も揃う」ことを目指しているのは、それを可能にする制作者からの厚い信頼があればこそ安定した仕入れが出来ているのだと思うのです。
今は流通の形態も大きく変化し、全国的に陶磁器を仲介する産地の卸業者(問屋)の規模は縮小し、時代に合わせた変化の必要に迫られています。現在の磯部商店の仕事を見ていると、根底に地元の作り手と築いてきたネットワークがあり、常滑を支える自負と責任と、変わることを恐れず新たな挑戦をする姿勢によってその役割を果たしているのです。今回の展示会では、磯部商店が取り扱う約30名の現代作家の急須や、今では入手困難な物故作家の急須、ヴィンテージの急須など貴重な在庫品も出品して下さいます。磯部商店による常滑急須の幅の広さと奥深さをこの機会にご体験頂けますことを願っております。
店主
どうぞこの機会にうつわノートさんへお立ち寄り下さいませ